今回はこれらを含み、効用と消費者行動との関係を説明します。
<期待効用>
理論を単純化するために、サイコロゲームというものを考えます。
サイコロを振って出た目から、aの確率でx1という金額が得られ、1−aという確率でx2という金額が得られるとします。
この時の効用関数は、
U(x)=a・u(x1)+(1−a)・u(x2)
となります。
これは、x1、x2から得られる効用の期待値の和となります。
これが、サイコロゲームに対する期待効用です。
一般的には、この期待効用を最大化したいと考えるのが個人の行動です。
<サイコロゲーム>
具体的に考えます。次のゲーム例(1),(2)を見てください。
(1)サイコロを振って、奇数が出たら1,000円もらえる、偶数が出たら1,000円払う。
この時の期待効用は、上記の式を使うと次のようになります。
U(ゲーム1)=1/2・u(1,000)+1/2・u(-1,000)
今、10,000円手元に持っていたとすると、奇数・偶数が出る確率は1/2ずつなので、期待効用は 11,000円と 9,000円の場合の効用の中間点になります。(図1)
この時は基本的に、期待効用は下がる傾向にあります。
図1:ゲーム(1)の期待効用
このように、ゲームの期待値が0のゲームを「公平なゲーム」と呼びます。
(2)サイコロを振って、1が出たら10,000円もらえる、その他が出たら1,000円払う。
この時の期待効用は、同様に次のように成ります。
U(ゲーム2)=1/6・u(10,000)+5/6・u(-1,000)
今、10,000円手元に持っていたとすると、1が出る確率は1/6、その他が出る確率は5/6なので、期待効用は 20,000円と 9,000円の効用の 5/6の位置になります。(図2)
この時は、もしかしたら期待効用が上がるかもしれません。
図2:ゲーム(2)の期待効用
このゲームは期待値が0ではないため、公平なゲームとは言えません。
しかし、このゲームの参加費が期待値(5,000円)と同額である場合、そのゲームを「公平なゲーム」と呼びます。
<危険回避行動>
世の中にはゲーム(2)のような、挑戦者に有利なゲームはほとんどありません。
公平なゲームか、もっと不利なゲームがほとんどです。
公平なゲームについては、挑戦した場合の期待効用が下がることを示しました。
一般的に、個々人は危険回避行動を取ると言われています。
従って、たとえ公平なゲームであっても全体としての期待効用が下がる以上、そのゲームには挑戦しない、というのが消費者の行動心理となります。
ところが、ゲームの参加自体への効用というものがあるため、賭け事や宝くじといったものは永遠になくならないのです。
ということで、2回に渡り効用理論というものを説明しました。
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