2005年06月20日

国際収支と為替変動

今日は国際収支と為替変動について説明します。簡単に言うと、国際収支とは「外国との経済取引を大局的に体系化したもの」のことです。つまり、外国との財や貨幣のやり取りが統計されたもの、です。この統計値が為替の変動に大きく影響します。今日はその辺を順に説明します。

<国際収支>

日本における国際収支は、日本銀行が国際収支統計として公表しています。
これは、外国と行った経済取引を1ヶ月・四半期などで統計したものです。
体系的には以下のようなものとなっています。

国際収支

├経常収支
|├貿易・サービス収支
|| ├貿易収支:財の輸出入など
|| └サービス収支:旅行、保険など
|├所得収支 :海外から獲得する所得と外国資本が自国内で獲得する所得
|└経常移転収支:寄付金など

├資本収支
| ├投資収支   :直接投資や証券投資など
| └その他資本収支:開発協力の無償供与など

└外貨準備増減:通貨当局が調整する公的な外貨資産の増減


本図は中小企業診断士試験全科目の要点と合格対策から一部参照しました。

詳しい解説や、国際収支の統計値などは(財)日本関税協会のページでご確認ください。

また、国際収支は以下の等式が成り立っています。
経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏 = 0

<為替>

自国と他国の貨幣の交換比率を為替レートと呼びます。為替制度には固定為替相場制変動為替相場制があります。変動制では、需給調整は市場メカニズムの交換比率から決まります。

日本の「円」と外貨の間は変動相場制になっています。為替相場は、外国為替市場によって取引され、時々刻々と変動します。外国との間で取引を行う企業では、予期せぬ利益/損益が生じる場合があります。(1ドル=110円と、1ドル=120円では利益に差が出ることはわかりますよね。)変動相場制にはこのようなリスクが潜んでいます。

<為替変動の原因>

では、為替変動は何が原因で起きるのでしょうか?主な原因は以下の3つです。

(1)ファンダメンタルズ
 ファンダメンタルズとは、経済の基礎的な条件のことです。
 具体的には、経済成長率・国際収支・雇用統計(失業率・就業者数)・
 物価指数・対外バランス・原油価格などの数値のことです。

(2)市場の需給
 市場の需給とは、企業や機関投資家などによる外貨取引量のバランスの
 ことです。外国企業の日本法人設立・買収や機関投資家の外国証券投資、
 海外投資家の日本証券投資などにより、双方の通貨が必要とされることです。

(3)通貨政策
 これが為替変動の要因としては最も重要です。
 ・ニクソンショック(1971年:1ドル 308円へ切り上げ)
 ・カーターショック(1978年:1ドル 180円を割る)
 ・プラザ合意(1985年:2年後に1ドル 120円まで下がる)
 など、円対ドルだけを見ても、通貨政策の影響の大きさがわかります。

このように、国際収支と為替変動との間には密接な関係があります。
その仕組みの理解に少しでも役立てれば幸いです。

# 本稿は国際収支・為替変動に関するページを参照させて頂きました。

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2005年06月19日

比較生産費と貿易理論

今日はマクロ経済の中でも、国際的な経済の動きである貿易理論と比較生産費について説明します。

<現代の貿易理論>

現代では、基本的に貿易は自由貿易であるべきと言われています。経済学だけの問題としてみると、生産性の高い国から輸入すべきという考えです。輸入を間接的な生産と考えると、より安く生産できる方法を選んだ方が経済効率が良いということです。

自由貿易を推進するために、国際的には1947年にGATT(関税および貿易に関する一般協定)が結ばれました。そして、ケネディ・ラウンド(1967年)、東京ラウンド(1979年)、ウルグアイ・ラウンド(1994年)等の貿易交渉を通じて、貿易における関税の引き下げなどが実現しました。こういった動きを受けて、1995年にWTO(世界貿易機関)が設立されました。

しかし、経済学においても例外的に保護貿易というものが認められています。それは「幼稚産業を育成する場合」のみです。かつての日本の自動車産業やコンピュータ産業などのようなものです。将来的に国の代表産業として育成したいような産業についてです。この説を最初に唱えたのは19世紀のドイツの経済学者リストです。具体的には、関税をかけたり輸入制限をするなどして、保護貿易を実現します。

<比較生産費説>

この自由貿易の論拠となっているのが、イギリスの経済学者リカードが唱えた比較生産費説です。ある国が、他国と比べて生産効率の高い(比較優位な)生産物に特化することで、それを他国と交換することが利益につながる、というものです。比較優位とは、ある生産物だけの生産効率を比べるのではなく、他の生産物を基準にして生産効率を比べることです。

また、リカードの説の根底を説明した理論として、国際経済学者ヘクシャーオーリンの定理(要素価格均等化定理)というものもあります。これは、ある資源が豊富な国は、そこから作り出した財を輸出するというものです。各国が得意分野を生産・輸出することで、輸出入の流れは一方的かつ全ての生産物は各国で均等化されるというものです。

リカードの説にしろ、ヘクシャー=オーリンの定理にしろ、現実世界はもっと複雑であるため、あくまで経済学の基礎理論として位置付けられています。


以上、比較生産費と貿易理論の説明でした。

# 本稿は貿易の基礎理論などのページを参照させて頂きました。

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2005年06月18日

主要経済理論

今日は現代経済学の基礎となっている「ケインズ理論」をはじめ、主要な経済理論について説明します。具体的には、古典派経済学、ケインズ理論、サプライサイド理論、マネタリズム、新古典派理論、新保守主義について、非常に簡潔に説明します。

<古典派経済学>

古典派は、1929年以前の経済学の基本となっていた理論です。これは、価格(物価)の変動により需要と供給が均衡し、景気が良くなると考えた理論です。

例えば、パソコンが一台20万円で100台売っていたとします。しかし消費者が80台しか買わなかった時に、一台15万円にすれば残りの20台も売れるだろうと考えます。全部売れればメーカーは生産台数を増やすので、景気は良くなるだろう、という考え方です。

実際の経済では、そんなことはほとんど有り得ないですよね。

<ケインズ理論>

そこで登場したのがケインズ理論です。古典派では不況に対する説明がつきません。1929年というのは世界恐慌が起きた年で、この時にケインズが一般理論と有効需要の理論を提唱しました。

これは、現実は売れなくても価格は下がらず、売れない原因は需要が少ないことにある、とした理論です。企業は売れないと生産量を減らすので、需要が増えない限り不況は脱せません。需要を(大きく)増やすためには政府の支出で調節すべき、と提唱しました。

これが不況を説明する理論となり、古典派が好況を説明する理論で、双方を使って経済の動きを説明できるようになりました。

<サプライサイド理論>

サプライサイド理論とは、米国のレーガン政権で採用された理論です。需要を増やすための政府支出は全く意味がないと考えています。インパクトが大きいのは減税による効果で、減税→企業の投資拡大→企業が儲かる→税収アップという循環を想定しています。

税率は下げるが、下げた分を上回る税収を得られる、という理論です。

<マネタリズム>

マネタリズムはアメリカの経済学者フリードマンが中心的に唱えた理論です。金融引き締め(通貨・現金の供給抑制)によって景気の過熱を抑えるという理論です。インフレ(物価上昇、貨幣価値減少)を防ぐためには、貨幣の供給を抑えれば良い、と考えたものです。

イギリスのサッチャー政権でも採用されました。サッチャーは、利子率を上げることで預金が増え(つまり現金保有が減り)、通貨の供給引き締めを実現しました。

<新古典派理論>

新古典派とは、一言で言うと自由放任主義ということです。ケインズ理論が短期的な経済学と考えると、新古典派は長期的なものです。昨日のIS-LM分析で説明したように、完全雇用の実現までがケインズ理論です。その後の市場の需給調整により、自由競争で経済が成り立つ、と考えています。

<新保守主義>

英語のネオコンサバティズム(Neoconservatism)を略してネオコンと言われる理論です。1970年代ころに登場し、経済的に小さな政府(政府の市場介入を極小化し、個人責任で市場を形成する考え方)を重視した考え方です。日本では中曽根首相が新保守主義の代表と言われています。

民間任せ、減税、福祉削減、規制緩和などが主なキーワードで特徴付けられる理論です。日本でも1990年代に規制緩和の波が押し寄せていますが、批判や疑問を招いている部分もあります。この規制緩和は新保守主義の考え方によるものです。


以上、非常に簡潔ではありましたが主要な経済理論を説明してきました。
どの理論も経済市場を完璧に説明するものではありませんが、時代と共に理論も変わってきている、というところでしょうか。

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2005年06月17日

IS-LM分析

今日はマクロ経済における中心的な分析手法であるIS-LM分析を説明します。
これは正直、非常に難しく、複雑な式などが存在するのですが、ここでは簡潔に説明したいと思います。詳しく知りたい方は専門書などを読んでください。

IS-LM分析とは、国民所得(国民全体が得る所得の総額)の均衡した状態を分析する手法です。ケインズ(別途説明)理論の内容を図示しようと考案されたものです。政府による財政政策の基本になると言われている手法です。

<IS曲線>

IはInvestment(投資)、SはSaving(貯蓄)のことで、投資と貯蓄の関係を表す曲線です。分析の目的から、縦軸を利子率、横軸を国民所得として曲線を描きます。

利子率(銀行に預けた場合の利子率を考えてください)が上がると、個人や企業は投資をせずに貯蓄を行います。企業が貯蓄を行うと、社員への給与は減ります。また、新規投資が減ることで雇用や仕事が減り、結果的に社員(国民)の所得も減ります。

つまり、利子率が上がると国民所得は減り、利子率が下がると国民所得が増えます。これを表したのがIS曲線です。難しく言うと「財市場の均衡を達成する国民所得と利子率の組み合わせを関数で表したもの」となります。一番下に図示しましたが、一般的には右下がりの曲線になります。財市場の均衡とは、モノやサービスの需要と供給が一致する状態のことを言います。

<LM曲線>

LはLiquidity Preference(流動性選好)、MはMoney Supply(貨幣供給)のことで、貨幣の供給量とその保有嗜好との関係を表す曲線です。流動性選好とは、貨幣をそのまま(現金)で保有したがる度合いのことです。

実際には貨幣の供給量というのは、貨幣の需要に応じて調整されるものです。そこで貨幣の需要について考えることにします。貨幣の需要とは現金で持ちたがる機運のことを言います。

IS曲線と同様に、利子率と国民所得のグラフで考えます。まず利子率が上がると現金を銀行などに預けたり、債券を保有したがるようになります。現金を手放すので貨幣需要は減ります。一方、所得が上がると貨幣需要も増えますが、市場や国による調整が入り利子率が上がります。利子率が上がると貨幣需要が減って、均衡が保たれるというわけです。

つまり、国民所得が上がると利子率が上がることを示しています。LM曲線はIS曲線の「財市場の均衡」に対して、「貨幣市場の均衡」を表す曲線となっています。貨幣市場の均衡とは、貨幣(現金)の需給が一致する状態のことを言います。この曲線は、一般的には右上がりの曲線になります。

<IS-LM分析>

下図のように、IS曲線とLM曲線の交点を分析します。この交点(E)は財市場と貨幣市場の同時均衡点を表します。つまり、モノやサービスの流通と、貨幣の流通がバランスよく均衡が取れている状態、ということです。

IS-LM分析.JPG
図:IS-LM分析のイメージ

均衡点(E)の時に、完全雇用(失業率ゼロ)の状態であれば、市場が極めて均衡な状態と言えます。実際にはそんなことはなく、その状態を作り出そうとするのが政府の財政政策(政府支出)であったり金融政策であったりします。政府支出はIS曲線を上に押し上げ、金融政策(貨幣供給量の増加)はLM曲線を下に押し下げる効果があります。

このようにして国民所得と利子率を同時に決定するのがIS-LM分析です。


本日はマクロ経済学の肝とも言うべき、IS-LM分析について説明しました。
非常に難しいですが、こういった大局的視点で経済を眺めることも必要ですね。
posted by jhirano at 22:17| ☔| Comment(8) | TrackBack(5) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月16日

主な経済指標

今日はマクロ経済における主要な経済指標を簡単に説明します。
説明するのは、雇用統計・鉱工業生産指数・消費者物価指数・国内企業物価指数・工業統計・商業統計・産業連関表・景気動向指数についてです。

<雇用統計>

厚生労働省が実施している労働統計のうち、雇用に関する統計の総称です。

雇用(入職・離職等)、給与、労働時間、勤務日数などの調査を行い、その結果を公表しています。完全失業率や有効求人倍率などもこの統計の一部です。

<鉱工業生産指数>

日本の産業には、農林漁業・建設業・製造業・サービス業など様々な業種があります。これらの中で、鉱業と製造業が生産している量を指数としてまとめたもののことです。生産・出荷・在庫・在庫率という4つの指数が算出・提供されています。例えば、銅の生産(産出)が増えると指数は上昇します。これは日本の生産状況を測る上で、最も代表的な指標として取り上げられています。
(さすが「モノづくり日本」ですね。)

<消費者物価指数>

英語では CPI(Consumer Price Index)と言います。
これは、全国の世帯が購入する各種の商品(サービスも含む)の価格の、平均的な変動を測定するものです。すなわち、ある時点の世帯の消費構造を基準に、それと同等のものを購入した場合に必要な費用が、どのように変動したかを指数値で表しているものです。

<国内企業物価指数>

企業間における商品の取引価格に焦点を当てた物価指数です。以前は「卸売物価指数」と言われていました。企業間取引も、消費者の需要意欲を反映するため、この指数が景気判断に活用できると考えられています。特に、国内向けの国産商品の企業間における取引価格を対象としています。

<工業統計>

経済産業省が行っている、統計法に基づく国の指定統計調査です。
(ア)「製造業」に属する事業所(国営を除く)を対象として、
(イ)毎年末(12月31日)現在の、
(ウ)事業所数、従業員数、製造品出荷額、原材料使用額などを調査し、
(エ)工業の実態を明らかにすることを目的としています。
日本の工業動向の実態を明らかにし、各種政策等へ反映するために行われています。そのため「製造業の国勢調査」とも言われています。

<商業統計>

こちらは工業統計の商業版です。日本の商業活動の実態を明らかにするのが目的です。商業(卸売業、小売業)を営む全ての事業所が対象となっています。5年ごとに18項目から成る本調査を、その2年後に9項目から成る簡易調査を行っています。

<産業連関表>

経済活動というのは、各産業が個別に存在しているわけではありません。産業相互間、あるいは産業と家計などの間で密接に結びつき、相互に影響し合っています。このような各産業間の結びつきの強さなどを一覧表にしたものが産業連関表です。素材屋→加工屋→部品屋→製品屋といったような、産業同士の関連を数値で表しています。

<景気動向指数>

英語では DI(Diffusion Index)と言います。
これまで見てきた通り、景気を測る指標には様々なものがあります。しかし、どれも一長一短で、「これを見れば景気動向が全てわかる!」といったものはありません。そこで考え出されたのがこの指数です。
いくつかの代表的な指数の状態を見て、改善/悪化といった状態を確認します。「改善」となった指数の数で景気動向指数の値が決まります。(詳細省略)


以上、景気動向を知ることができるいくつかの指数を紹介しました。
聞いたことがあるものもあれば、初めて聞いたようなものもあると思います。
そうでなくとも、具体的に指数の意味を知っていた方は少ないのではないでしょうか。良い機会なので、この際覚えてみてはいかがでしょうか?

# 本日の記事は厚生労働省、経済産業省、総務省のページ他、いくつかのページを参考にさせて頂きました。

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posted by jhirano at 18:34| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月15日

景気と景気変動・景気循環

今日はマクロ経済学の中でも、割と身近な「景気」についてです。

<景気>

そもそも、景気という言葉は良く使いますが、何だか説明できますか?
簡単に言うと、「景気」とは経済活動の勢いのことです。

モノが良く売れて、企業が儲かり、社員である個人の所得が増える、このような状況が好景気ですね。経済活動の勢いが強い状態です。
逆に、モノが売れず、企業が儲からず、個人の所得も増えない(または減る)ような状況が不景気です。経済活動の勢いが弱いか後退している状態です。

<景気変動>

景気とは経済活動の勢いですが、それは絶えず変化しています。
好景気の時もあれば、不景気のときもあります。
このように、景気の勢いが変わることを「景気変動」と言います。

<景気循環>

景気変動には一定の波があると言われています。
一定周期で好景気と不景気が繰り返される、というものです。
代表的な周期に、40ヶ月・10年・20年・50年という4つの説があります。
これらの、一定の周期を持った景気変動を「景気循環」と言います。

【1】キチンの波

約40ヶ月の周期を持った景気循環は「キチンの波」と言われています。
これはアメリカの経済学者キチンが明らかにしたもので、企業の在庫投資が約40ヶ月で一巡するということから導き出されました。そのため、在庫(投資)循環、小循環、短期波動などと呼ばれることもあります。

【2】ジュグラーの波

約10年の周期を持った景気循環を「ジュグラーの波」と言います。
これはフランスの経済学者ジュグラーが明らかにしたものです。企業の設備投資が約10年で一巡するということから導き出されました。そのため、設備投資循環、主循環、中期波動などと呼ばれることもあります。

【3】クズネッツの波

約20年周期の景気循環は「クズネッツの波」と言われています。
これはアメリカの経済学者クズネッツが明らかにしたものです。建築物の需要の波が約20年で一巡するということに起因しています。そのため、建築循環と呼ばれることもあります。

【4】コンドラチェフの波

約50年の周期を持った景気循環を「コンドラチェフの波」と言います。
これはソ連の経済学者コンドラチェフが明らかにしたもので、技術革新が約50年周期で起きる、っということに起因しています。大循環、長期波動などと呼ばれることもあります。


個人的にはこれらの4つの波を覚えるときに、それぞれの頭文字を取って「キ・ジュにクズ・コを(喜寿に葛粉を)」と覚えています。(想像しながら)
こういった用語を覚えておくのも悪くはないですよね。
どれだけ役に立つかわかりませんが・・・。

posted by jhirano at 21:35| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月14日

貯蓄と投資

マクロ経済の用語に「貯蓄」と「投資」というものがあります。
ここで言う投資とは、株式投資などのような一般的な投資とは意味が異なります。
今日は経済学における貯蓄と投資について述べます。

<消費>

貯蓄と投資を知る前に、「消費」という言葉があります。
消費とは、企業などが稼いだ所得を、現在のために使うことです。
今、必要な費用として使っていくことを言います。

<貯蓄>

消費に対して「貯蓄」とは、稼いだ所得を、将来のために残すことです。
今使わずに、将来必要となる時のためにとっておくのが貯蓄です。

<投資>

「投資」とは、貯蓄を資金源として将来役に立つ物財を購入することです。
物財とは、住宅や生産設備、施設などのことです。
投資の対象となったものは、将来の所得としてお金を稼ぐ源泉となります。

これらの言葉を図示すると下図のようになります。
貯蓄と投資.JPG
図:経済学における消費・貯蓄・投資の概念

これらは現実的はあまり役立たないかもしれませんが、経済学の知識として知っておいても良いと思います。
posted by jhirano at 17:33| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月13日

GNPとGDP

国民全体の所得や生み出した価値を考えるときに、2つの概念があります。
一つは「国民」という概念で、もう一つは「国内」という概念です。
それぞれの代表的な指標として、GNPとGDPがあります。

<GNP:Gross National Product>

国内に所在・居住する企業・団体・個人が受け取った所得の総額で、国民総生産と言います。言い換えると、ある国の国民が一定期間内に生み出した付加価値の総額のことです。

付加価値とは、企業などが生産活動で生み出した生産物からその原料などを差し引いたものです。
 付加価値=総生産額−中間財投入額

外国企業が日本で得た所得はGNPの対象外であり、日本企業が外国で得た所得は対象となります。また、最近では所得という視点からGNI(Income)と言われることもあります。

<GDP:Gross Domestic Product>

日本国内における生産活動全体の総額で、国内総生産と言います。
 GDP=GNP−海外から受け取る要素所得+海外へ支払う要素所得
    =GNP−海外からの純要素所得
と表されます。

外国企業が日本で行った生産活動はGDPの対象であり、日本企業が外国で行った生産活動は対象外となります。

GDP統計は、国民経済計算と言われる、国全体としての経済取引を全体的に記録する統計指標の一つです。国民経済計算は、経済のフローとストック、モノとカネの面から経済活動を多面的、包括的に表したものです。

フローとは、一定期間内に行われた生産や取引の量を測ったもので、ストックとは、ある一時点に存在している資産や負債の残高のことです。企業で言うと、フロー=損益計算書(P/L)、ストック=貸借対照表(B/S)と考えるとわかりやすいですね。


企業経営において、これらの基本的な経済指標を把握することは、ビジネスの意思決定上の基本となります。(ちなみに、2003年度の日本の名目GDPは約500兆円です。覚えておきましょう。)
posted by jhirano at 22:01| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月12日

国民所得の概念

マクロ経済の用語に、国民所得の(諸)概念というものがあります。
これは、一国全体の経済状況(貧富の状況)を把握するための尺度です。

最も代表的なのがGNP(Gross National Product:国民総生産)です。
1年間や3ヶ月間(四半期)における、その経済で創生された付加価値の総額です。
付加価値とは、企業などが生み出した生産物の総額から、原材料や燃料費などを差し引いた金額のことです。

その他にも、国民所得の概念を表す指標として次のようなものがあります。
国民純生産(NNP:Net National Product)
個人所得(PI:Personal Income)
個人可処分所得
(詳しい解説は別途できればと考えています)

国民所得の概念に対し、国内の概念というものも存在します。
(代表的な指標がGDPです。)
これについては今後解説したいと思います。

あなたの会社はマクロ的な視点で経済を捉えていますでしょうか?
国民所得の概念というものがあることを知っておいても損はないでしょう。
posted by jhirano at 21:58| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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