2005年06月21日

市場メカニズム・市場均衡

今日からミクロ経済の説明に入りたいと思います。

以前も述べたように、マクロ経済は「国家の経済全体をみる」ことでした。
ミクロ経済は「企業や一消費者などの個別主体をみる」考え方です。
こちらの方が身近なので、よりわかりやすいかと思われます。

<市場メカニズム>

まず最初は「市場メカニズム」についてです。
市場メカニズムを簡単に言うと「モノの需要と供給は、その価格によって調整される、資源配分の仕組み」ということです。要は、欲しい人が多ければ高く売れる、モノが多過ぎると安くしか売れない、という現象です。これを経済学では市場(しじょう)メカニズムと呼んでいます。

これを端的に説明した、よく見かける図が下記のものです。

需要曲線と供給曲線.jpg
図:市場メカニズムの需要曲線と供給曲線

需要曲線はモノを欲しがる強さの変化を表したもの、供給曲線はモノを売りたがる強さの変化を表したもの、です。価格が下がれば購買量は増え、価格が上がれば生産量(売りたい量)が増える、というものです。実際の経済ではこれほど単純ではありませんが、現代経済の基本とされるわかりやすいメカニズムです。

<市場均衡>

上図のE点の状態を「市場の均衡」と言います。モノの売れ残りも品切れも生じないような状態です。現代では、市場の動きに任せれば自動的にこの状態で安定するようになると考えられています。つまり、現代の経済には市場メカニズムに対する信頼がある、ということです。


以上、簡単ではありましたが本日はミクロ経済学の基礎である市場メカニズムについて説明しました。

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2005年06月20日

国際収支と為替変動

今日は国際収支と為替変動について説明します。簡単に言うと、国際収支とは「外国との経済取引を大局的に体系化したもの」のことです。つまり、外国との財や貨幣のやり取りが統計されたもの、です。この統計値が為替の変動に大きく影響します。今日はその辺を順に説明します。

<国際収支>

日本における国際収支は、日本銀行が国際収支統計として公表しています。
これは、外国と行った経済取引を1ヶ月・四半期などで統計したものです。
体系的には以下のようなものとなっています。

国際収支

├経常収支
|├貿易・サービス収支
|| ├貿易収支:財の輸出入など
|| └サービス収支:旅行、保険など
|├所得収支 :海外から獲得する所得と外国資本が自国内で獲得する所得
|└経常移転収支:寄付金など

├資本収支
| ├投資収支   :直接投資や証券投資など
| └その他資本収支:開発協力の無償供与など

└外貨準備増減:通貨当局が調整する公的な外貨資産の増減


本図は中小企業診断士試験全科目の要点と合格対策から一部参照しました。

詳しい解説や、国際収支の統計値などは(財)日本関税協会のページでご確認ください。

また、国際収支は以下の等式が成り立っています。
経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏 = 0

<為替>

自国と他国の貨幣の交換比率を為替レートと呼びます。為替制度には固定為替相場制変動為替相場制があります。変動制では、需給調整は市場メカニズムの交換比率から決まります。

日本の「円」と外貨の間は変動相場制になっています。為替相場は、外国為替市場によって取引され、時々刻々と変動します。外国との間で取引を行う企業では、予期せぬ利益/損益が生じる場合があります。(1ドル=110円と、1ドル=120円では利益に差が出ることはわかりますよね。)変動相場制にはこのようなリスクが潜んでいます。

<為替変動の原因>

では、為替変動は何が原因で起きるのでしょうか?主な原因は以下の3つです。

(1)ファンダメンタルズ
 ファンダメンタルズとは、経済の基礎的な条件のことです。
 具体的には、経済成長率・国際収支・雇用統計(失業率・就業者数)・
 物価指数・対外バランス・原油価格などの数値のことです。

(2)市場の需給
 市場の需給とは、企業や機関投資家などによる外貨取引量のバランスの
 ことです。外国企業の日本法人設立・買収や機関投資家の外国証券投資、
 海外投資家の日本証券投資などにより、双方の通貨が必要とされることです。

(3)通貨政策
 これが為替変動の要因としては最も重要です。
 ・ニクソンショック(1971年:1ドル 308円へ切り上げ)
 ・カーターショック(1978年:1ドル 180円を割る)
 ・プラザ合意(1985年:2年後に1ドル 120円まで下がる)
 など、円対ドルだけを見ても、通貨政策の影響の大きさがわかります。

このように、国際収支と為替変動との間には密接な関係があります。
その仕組みの理解に少しでも役立てれば幸いです。

# 本稿は国際収支・為替変動に関するページを参照させて頂きました。

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2005年06月19日

比較生産費と貿易理論

今日はマクロ経済の中でも、国際的な経済の動きである貿易理論と比較生産費について説明します。

<現代の貿易理論>

現代では、基本的に貿易は自由貿易であるべきと言われています。経済学だけの問題としてみると、生産性の高い国から輸入すべきという考えです。輸入を間接的な生産と考えると、より安く生産できる方法を選んだ方が経済効率が良いということです。

自由貿易を推進するために、国際的には1947年にGATT(関税および貿易に関する一般協定)が結ばれました。そして、ケネディ・ラウンド(1967年)、東京ラウンド(1979年)、ウルグアイ・ラウンド(1994年)等の貿易交渉を通じて、貿易における関税の引き下げなどが実現しました。こういった動きを受けて、1995年にWTO(世界貿易機関)が設立されました。

しかし、経済学においても例外的に保護貿易というものが認められています。それは「幼稚産業を育成する場合」のみです。かつての日本の自動車産業やコンピュータ産業などのようなものです。将来的に国の代表産業として育成したいような産業についてです。この説を最初に唱えたのは19世紀のドイツの経済学者リストです。具体的には、関税をかけたり輸入制限をするなどして、保護貿易を実現します。

<比較生産費説>

この自由貿易の論拠となっているのが、イギリスの経済学者リカードが唱えた比較生産費説です。ある国が、他国と比べて生産効率の高い(比較優位な)生産物に特化することで、それを他国と交換することが利益につながる、というものです。比較優位とは、ある生産物だけの生産効率を比べるのではなく、他の生産物を基準にして生産効率を比べることです。

また、リカードの説の根底を説明した理論として、国際経済学者ヘクシャーオーリンの定理(要素価格均等化定理)というものもあります。これは、ある資源が豊富な国は、そこから作り出した財を輸出するというものです。各国が得意分野を生産・輸出することで、輸出入の流れは一方的かつ全ての生産物は各国で均等化されるというものです。

リカードの説にしろ、ヘクシャー=オーリンの定理にしろ、現実世界はもっと複雑であるため、あくまで経済学の基礎理論として位置付けられています。


以上、比較生産費と貿易理論の説明でした。

# 本稿は貿易の基礎理論などのページを参照させて頂きました。

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2005年06月18日

主要経済理論

今日は現代経済学の基礎となっている「ケインズ理論」をはじめ、主要な経済理論について説明します。具体的には、古典派経済学、ケインズ理論、サプライサイド理論、マネタリズム、新古典派理論、新保守主義について、非常に簡潔に説明します。

<古典派経済学>

古典派は、1929年以前の経済学の基本となっていた理論です。これは、価格(物価)の変動により需要と供給が均衡し、景気が良くなると考えた理論です。

例えば、パソコンが一台20万円で100台売っていたとします。しかし消費者が80台しか買わなかった時に、一台15万円にすれば残りの20台も売れるだろうと考えます。全部売れればメーカーは生産台数を増やすので、景気は良くなるだろう、という考え方です。

実際の経済では、そんなことはほとんど有り得ないですよね。

<ケインズ理論>

そこで登場したのがケインズ理論です。古典派では不況に対する説明がつきません。1929年というのは世界恐慌が起きた年で、この時にケインズが一般理論と有効需要の理論を提唱しました。

これは、現実は売れなくても価格は下がらず、売れない原因は需要が少ないことにある、とした理論です。企業は売れないと生産量を減らすので、需要が増えない限り不況は脱せません。需要を(大きく)増やすためには政府の支出で調節すべき、と提唱しました。

これが不況を説明する理論となり、古典派が好況を説明する理論で、双方を使って経済の動きを説明できるようになりました。

<サプライサイド理論>

サプライサイド理論とは、米国のレーガン政権で採用された理論です。需要を増やすための政府支出は全く意味がないと考えています。インパクトが大きいのは減税による効果で、減税→企業の投資拡大→企業が儲かる→税収アップという循環を想定しています。

税率は下げるが、下げた分を上回る税収を得られる、という理論です。

<マネタリズム>

マネタリズムはアメリカの経済学者フリードマンが中心的に唱えた理論です。金融引き締め(通貨・現金の供給抑制)によって景気の過熱を抑えるという理論です。インフレ(物価上昇、貨幣価値減少)を防ぐためには、貨幣の供給を抑えれば良い、と考えたものです。

イギリスのサッチャー政権でも採用されました。サッチャーは、利子率を上げることで預金が増え(つまり現金保有が減り)、通貨の供給引き締めを実現しました。

<新古典派理論>

新古典派とは、一言で言うと自由放任主義ということです。ケインズ理論が短期的な経済学と考えると、新古典派は長期的なものです。昨日のIS-LM分析で説明したように、完全雇用の実現までがケインズ理論です。その後の市場の需給調整により、自由競争で経済が成り立つ、と考えています。

<新保守主義>

英語のネオコンサバティズム(Neoconservatism)を略してネオコンと言われる理論です。1970年代ころに登場し、経済的に小さな政府(政府の市場介入を極小化し、個人責任で市場を形成する考え方)を重視した考え方です。日本では中曽根首相が新保守主義の代表と言われています。

民間任せ、減税、福祉削減、規制緩和などが主なキーワードで特徴付けられる理論です。日本でも1990年代に規制緩和の波が押し寄せていますが、批判や疑問を招いている部分もあります。この規制緩和は新保守主義の考え方によるものです。


以上、非常に簡潔ではありましたが主要な経済理論を説明してきました。
どの理論も経済市場を完璧に説明するものではありませんが、時代と共に理論も変わってきている、というところでしょうか。

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2005年06月17日

IS-LM分析

今日はマクロ経済における中心的な分析手法であるIS-LM分析を説明します。
これは正直、非常に難しく、複雑な式などが存在するのですが、ここでは簡潔に説明したいと思います。詳しく知りたい方は専門書などを読んでください。

IS-LM分析とは、国民所得(国民全体が得る所得の総額)の均衡した状態を分析する手法です。ケインズ(別途説明)理論の内容を図示しようと考案されたものです。政府による財政政策の基本になると言われている手法です。

<IS曲線>

IはInvestment(投資)、SはSaving(貯蓄)のことで、投資と貯蓄の関係を表す曲線です。分析の目的から、縦軸を利子率、横軸を国民所得として曲線を描きます。

利子率(銀行に預けた場合の利子率を考えてください)が上がると、個人や企業は投資をせずに貯蓄を行います。企業が貯蓄を行うと、社員への給与は減ります。また、新規投資が減ることで雇用や仕事が減り、結果的に社員(国民)の所得も減ります。

つまり、利子率が上がると国民所得は減り、利子率が下がると国民所得が増えます。これを表したのがIS曲線です。難しく言うと「財市場の均衡を達成する国民所得と利子率の組み合わせを関数で表したもの」となります。一番下に図示しましたが、一般的には右下がりの曲線になります。財市場の均衡とは、モノやサービスの需要と供給が一致する状態のことを言います。

<LM曲線>

LはLiquidity Preference(流動性選好)、MはMoney Supply(貨幣供給)のことで、貨幣の供給量とその保有嗜好との関係を表す曲線です。流動性選好とは、貨幣をそのまま(現金)で保有したがる度合いのことです。

実際には貨幣の供給量というのは、貨幣の需要に応じて調整されるものです。そこで貨幣の需要について考えることにします。貨幣の需要とは現金で持ちたがる機運のことを言います。

IS曲線と同様に、利子率と国民所得のグラフで考えます。まず利子率が上がると現金を銀行などに預けたり、債券を保有したがるようになります。現金を手放すので貨幣需要は減ります。一方、所得が上がると貨幣需要も増えますが、市場や国による調整が入り利子率が上がります。利子率が上がると貨幣需要が減って、均衡が保たれるというわけです。

つまり、国民所得が上がると利子率が上がることを示しています。LM曲線はIS曲線の「財市場の均衡」に対して、「貨幣市場の均衡」を表す曲線となっています。貨幣市場の均衡とは、貨幣(現金)の需給が一致する状態のことを言います。この曲線は、一般的には右上がりの曲線になります。

<IS-LM分析>

下図のように、IS曲線とLM曲線の交点を分析します。この交点(E)は財市場と貨幣市場の同時均衡点を表します。つまり、モノやサービスの流通と、貨幣の流通がバランスよく均衡が取れている状態、ということです。

IS-LM分析.JPG
図:IS-LM分析のイメージ

均衡点(E)の時に、完全雇用(失業率ゼロ)の状態であれば、市場が極めて均衡な状態と言えます。実際にはそんなことはなく、その状態を作り出そうとするのが政府の財政政策(政府支出)であったり金融政策であったりします。政府支出はIS曲線を上に押し上げ、金融政策(貨幣供給量の増加)はLM曲線を下に押し下げる効果があります。

このようにして国民所得と利子率を同時に決定するのがIS-LM分析です。


本日はマクロ経済学の肝とも言うべき、IS-LM分析について説明しました。
非常に難しいですが、こういった大局的視点で経済を眺めることも必要ですね。
posted by jhirano at 22:17| ☔| Comment(8) | TrackBack(5) | 経済学(マクロ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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